なぜ中国国内には時差がない?理由や9割の日本人が知らない北京時間の秘密

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広大な中国を照らす太陽。
東西に長い中国でなぜ「時差」がないのか?
日本人が知らない北京時間の「秘密」
とは?

考える人

そういえば中国に時差ってあるのかなぁ?

悩む人

中国ってあれだけ広いから時差もあるはずだよね?

考える人

なんであんなにでかいのに中国には時差が設定されていないんだろう?

中国国内に時差が設定されていないことを知らない人も多いですよね。

かく言う僕も中国に興味を持つ前は全く知りませんでした。

むしろ「中国国内には何時間の時差があるんだろう?」みたいに「時差がある前提」で考えているレベルでした。

中国に時差があるのは知ってるけど、なぜかは知らないと言う人も多いのではないでしょうか?

今回は「中国に時差がないのを知らない人」、「時差がないのは知ってるけど、(なぜなのか?)理由は知らない人」まで役立つ記事となっています。

後半では9割の日本人が知らない「北京時間の秘密」も解説していきますよ。

最後までご覧ください。

それでは早速>>>

この記事で分かる事
  • なぜ中国国内には時差がないのか?
  • 実際には中国国内に何時間の時差があるのか?
  • 中国と日本の時差
  • 9割の日本人が知らない「北京時間の秘密」

同じく時間を表すもので、『旧暦』を聞いたことがある人も多いんじゃないでしょうか?
中国ではこの『旧暦』が使われることも多いです。『旧暦』については【太陽暦】と【太陰暦】の違いってなに?簡単にわかりやすく解説!をご覧ください。

目次

【理由/結論】中国国内にはなぜ時差がないのか?

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この質問に対する答えはいくつかの理由があります。

まずはサラッと見ていきましょう。

主な要因

  1. 「主要都市」で考慮すると実際にはそんなに広くない
  2. 戦争の時に便利だから
  3. 1つの中国としての象徴
  4. ビジネスでの利便性

以上の4つが中国に時差が設定されていない理由です。

このままではピンとこないので詳しく解説していきます。

1.主要都市で考慮すると実際にはそんなに広くない

中国と言えば言わずと知られたあの広大 な土地ですよね。

しかし実は、主要都市で考えてみるととてつもなく広い訳ではないんです。

広いのに間違いはないですけど。。。

ここで言う主要都市とは大体この辺りです。

主要都市

  • 東:北京、上海、(黒竜江省)
  • 西:四川
  • 南:广州
  • 北:黒竜江省

※中国の最東端は黒竜江省ですが、時差を説明する主要都市を考慮し北京、上海にしています。

見て分かる通り中国の最東端、最北端はどちらも黒竜江省なんです。

よっぴ

ちなみに黒竜江省と言うと馴染みがないかもしれないけど、省都は「ハルビン」です。
これを聞いたら「なんか聞いたことある!」って人も多いかも?

と、説明してきましたが時差を話すに辺り最も重要なお話があります。

時差は経度によって決まると言うことです。

経度とか難しそうな言葉やめてよ!って人のために説明すると、要は地球の横方向(東西)です。

時差についても少し解説しましょう。

太陽は東から昇ります。当然東にある国・地域から時間が進んでいきます。

そして西の地域ほど時間が遅れていく訳ですが、西に経度が15°(横方向に一定の距離)ずれる度に1時間遅れると言うのが自然の摂理になっています。

つまり大事なのは中国の東の主要都市である北京から西の主要都市である四川まで「横方向に」どのくらい距離があるのかです。

北京から成都までの距離は1500km〜1800km(計測方法によって変化)

これは東京から沖縄までの距離(約1500km)と同じくらいです。

どうですか?

そう聞くとあれだけ大きい中国も主要都市では日本の主要都市間とあまり変わらないですよね。

2.戦争の時に便利だから

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これはもちろん中国が2022年現在に戦争を起こそうとし、そのために時間を統一していると言う訳ではありません。

日本でも少し習ったはずですが、中国の「解放戦争」を聞いたことはないでしょうか?

実はこの解放戦争の時、中国国内には5つのタイムゾーン(時差)がありました。

つまり、この時点で国内に時差があることの不便さに気づいた訳です。

こんな感じ
※イメージ

将軍

各地の兵士に告ぐ。10時より進軍せよ。

兵士

ラジャー!

ーーー北京時間9時ーーー

兵士

よしっ!進軍開始だ!
(現地時間では10時)

将軍

バカヤロー!10時って言っただろ!

兵士

だから10時じゃ、、、
あ、北京時間の10時か。

これは大げさですが、時差があるとこんな事態が起きかねない訳です。

非常に単純ですけど、めちゃくちゃ重要ですよね。

戦時中のただでさえ混乱してる中、いちいち各地の時間で指示を出していたら非効率に加えてなおさら混乱してしまいます。

このような理由からもこの「解放戦争」の時に中国国内の時間は統一されました。

3.1つの中国としての象徴

2の章「戦争の時に便利だから」でお伝えした通り、中国には解放戦争と言うものがありました。

これは簡単にまとめると元々は同じ民族であった「中国」と「台湾」の戦争です。

中国共産党(現中国:毛沢東がリーダー)と中国国民党(現台湾:蒋介石がリーダー)が中国本土の掌握を目指して争った戦争です。

いわゆる内戦です。

結果、中国国民党(蒋介石)が敗れ台湾に逃げ込むことになります。

これ以降、「中国は1つ」と言う象徴的な意味合いを込めて時差を無くしたとも言われています。

4.ビジネスでの利便性

そして絶対に外せないのがこの項目。

ビジネスにおいて時間は非常に大切ですよね。

もし国内に時差があるのなら、ビジネスマン達は出張で飛び回るたびに腕時計の時間を遅らせたり早めたりしなければなりません。

また、取引先との約束も面倒です。

「そちらの時間の12時に待ち合わせしましょう。」

いちいち相手の時間を気にする必要があるとともに、時間を間違えて大変なことになる可能性もあります。

このビジネス面での利便性も時差を無くした1つの要因だとされています。

ちなみに、時差を無くしたと言えども実際には太陽が昇ってくる時間太陽が沈む時間は各地で違いますよね。そのため今でも新疆ウイグル自治区では「ウルムチ時間(xīnjiāngshíjiān)」など地域に適した非公式の時間が使用されています。

よっぴ

現地に適した時間を使用しないと学校の通学や、出勤時間・退勤時間にも影響があるからね!
特に北京より2〜3時間遅れている新疆ウイグル自治区なんかだと標準時間(北京時間)の8時頃出社じゃ真っ暗なんて事にもなっちゃうし。笑

中国国内に「実際には」何時間の時差があるのか?

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ここからは”仮”に中国国内に時差を設定したとすると、東から西で実際にはどの程度時差があるのか見ていきましょう。

経度を中国地図に引いてみると大体こんな感じになります。
※おおよそ

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  • 実際の中国にあるタイムゾーンを仮に1〜5番で示しました。
  • 地図内の赤線が「経度」です。
  • 経度は15°ずつズレています。
  • エリアが変わると1時間変わります。
  • 左に行けば行くほど1時間ずつ遅くなっていきます。

※経度の線の位置はざっくり

ちょっと地図と照らし合わせて欲しいのですが、東と定義した北京、上海などは「2番のエリア」。

西の主要都市と定義した成都は「3番のエリア」です。

つまり、主要都市間では時差はたった1時間ほどしかありません。

考える人

え、国内で時差1時間って多くない?

と思う人もいるかもしれませんが、前の章で説明した通り日本も東京と沖縄で実際には約1時間の時差があります。

意外と同じくらいなんですよね。

その他、全土を対象とした1番〜5番までとすると4時間の時差があることになります。

ただし1番と5番は端の部分のみとなり、人口は圧倒的に少ない。

なので中国の大部分とする2番〜4番まででも2時間の時差と言うことになります。

よっぴ

ウルムチ(新疆ウイグル自治区)の時間は北京より大体2時間遅いことになるね。

この章のまとめ

  1. 主要都市間の時差は1時間
  2. 中国の大部分の時差は2時間
  3. 端から端まで全て考慮した中国国内の時差は4時間
  4. ウルムチ(新疆ウイグル自治区)やラサ(チベット自治区)の時間は北京より大体2時間遅い

中国と日本の時差は何時間?

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中国と日本の時差は「日本時間−1時間=中国時間」です。

つまり、日本の方が1時間早いです。

日本時間13時=中国時間12時

意外だと感じる人もいるのではないでしょうか?

僕が初めて知った時は「え?たった1時間だけなの?」って驚いたのを覚えています。

海も越えるし、もう少し時差があるイメージを持っていました。

ともあれ中国の北京時間には知られざるカラクリがありますが。

よっぴ

北京時間って日本人のほとんどが知らない秘密があるんだよね!

次の章で解説します。

余談ですが、僕は仕事中に中国とのミーティングや約束で”まれ”に時間を間違えます。笑

これも時差が原因です。

中国の同僚A

10日の打ち合わせ14時からね!

よっぴ

hǎode(おっけー)

・・・当日・・・

よっぴ

そろそろ14時か(日本時間)
ミーティングの準備しよう

14時00分・・・5分経過・・・10分経過・・・・・

よっぴ

今日って14時からミーティングじゃなかったっけ?

中国人の同僚A

そうだよ。
中国時間の14時ね!

よっぴ

ぬぁ!?
そうか、中国時間か。。。

こんなことが起きるので中国人と約束するときは「日本時間の〇〇時ね!」もしくは「北京(中国)時間の〇〇時ね!」と言うのが鉄板です。笑

日本人の9割が知らない北京時間の秘密

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さて、お待ちかねの日本人のほとんどが知らない北京時間の真実です。

「北京」時間なので当然中国の東側、海沿いの地域が時間を計測する標準になっている。

と言うのは大きな間違い

なんと中国の標準時間の所在地(標準時子午線)は北京ではないんです。

今まで北京時間は北京が基準だと思っていなかったですか?

せっかくの機会なので、1つ覚えておきましょう。

北京時間の所在地(標準時子午線)は陝西省の省都である西安にあります。

もっと具体的に言うと「中国科学院国家授时中心(中国科学院国家時報センター)」と言う場所が中国の標準時刻として設定されています。

日本の標準時刻が「兵庫県明石市」にあるのと同じシステムですね。

なぜ西安が標準時刻の基準点になっているのか?

西安が中国の中央に位置しており、時報を全国にバランスよくスムーズに届けれれるからだと言われています。

おそらくこれを聞いた人たちは「へぇ〜」って感じだと思いますが、実は非常に大切なポイントです。

日本など他の国々でもそうですが、スマホなどは基地局を経由して標準時刻を受け取っています。

そもそもの標準時刻を発信する時報がズレているならスマホなどの電子機器も時刻にズレが生じます。

そして時間を失った機器は場合によってはアプリなどが正常に動作しなくなるような可能性もあリます。

電車の時間などその他の日常生活にも多大な影響が生じることは分かりますよね。

そのため時報は安定的に送ることが大切であり、全国にスムーズに送信できることが条件だと言えます。

まとめ

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最後までご覧いただきありがとうございます。

今回のまとめです。

以上の4つがありましたね。

中国の標準時刻である「北京時間」の所在地(標準時子午線)は北京ではなく、陝西省西安の中国科学院国家授时中心(中国科学院国家時報センター)に存在する。

以上、参考になっていれば幸いです。

それではまた!

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