季節を彩る太陽暦と太陰暦。
2つの違いは至ってシンプル。
意外と知らない知識を覚えておこう。
太陽暦って一体なに?
太陽暦って聞いたことはあるけど、細かく気にしたことはないなぁ
「太陽暦」と「太陰暦」って具体的にどう違うんだろう…?
日常を過ごすうえで暦は切っても切り離せない大事な存在ですよね。
普通に生活しているだけなら特に気にする必要はないかもしれません。
しかし当たり前のように流れている日々も先人たちの努力の賜物で成り立っていることを忘れてはいけません。
今回は『太陽暦について』、『太陽暦と太陰暦の違い』などを学んでいきましょう。
それでは早速>>>
- 太”陽”暦について
- 太”陰”暦について
- 「太陽暦」と「太陰暦」の違い
- 太陽暦は誰が作ったのか?(太陽暦の起源)
- 太陽暦は日本でいつから採用されたのか?
太陽暦とは?
太陽暦とは2022年現在、世界中で使われている暦を示します。
もう少し具体的に言うと、1ヶ月を約30日、1年を12ヶ月としているこの暦です。
詳しい仕組みなどは後ほど解説しますが、太陽暦は地球が太陽の周りを1周する時間を基準としています。
「太陽暦・太陰暦」と言う言葉以外にも「新暦・旧暦」と言う言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
新暦とは単純に「新しい暦」のことで、2022年現在では太陽暦が新暦となります。
旧暦は1つ前の暦、すなわち後ほど説明する太陰暦を示します。
※厳密に言うと太陰太陽暦、もっと厳密に言うと天保暦。
この辺りまでいくと深すぎるので、ここでは旧暦は太陰暦だと考えてください。
もし今後新しい暦が誕生するのならその暦が新暦、2022年現在使用している太陽暦が旧暦となります。
太陽暦を作ったのは誰?(太陽暦の起源)
太陽暦の起源は一般的に古代エジプトまでさかのぼるとされています。
古代エジプトでは定期的にナイル川が大氾濫を起こしており、人々の生活に影響が出ていました。
特に古代エジプトでは農作物を育てて生活をしていたため、ナイル川の大氾濫は大切な食料確保に直結します。
そんな古代エジプト人たちは長く生活する中で、ナイル川の氾濫には周期があると感じていました。
ナイル川が氾濫する前にはいつも決まって東の空にある星(シリウス)が輝いていたのです。
そこで、東の空にシリウスが輝き出してからまた次に東の空にシリウスが輝き出すまでを1年としました。
これこそがまさに太陽暦の起源です。
今現在も使われている暦が古代に発明されていたなんて先人たちって偉大すぎますよね。
ちなみに古代エジプトとは大体5000年くらい前です。
驚愕ですよね。笑
太陽暦の仕組み
太陽暦は地球が太陽の周りを1周する時間を基準としていると説明しましたね。
地球は太陽の周りを大体365日で1周します。
“大体”と話した通り、実際には厳密に言うとピッタリ365日ではなく365.2422・・・日になります。
つまり暦をピッタリ365日としてしまうと少しずれが発生してしまうんですね。
なので太陽暦ではこんな方法を使います。
解決策
0.2422日は約6時間です。
1年で約6時間ずれが発生してしまいます。
と言うことは4年で24時間のずれ。
1日は24時間なので4年に一回365日に1日(24時間)増やしてあげればこのずれを修正できます。
これがうるう年です。
普通2月は28日までなのに、4年に一回だけなぜか2月29日(+1日)がありますよね。
うるう年の2月29日は実はこのような意味合いがあったんです。
なぜうるう年があるのかについても知ってもらえましたね!
太陰暦とは?
太陰暦とは月の満ち欠けの周期が基準に作られた暦の数え方です。
太陽暦は「地球が太陽の周りを1周する時間が基準」だったのに対し、太陰暦は「月の満ち欠けの周期が基準」です。
「太陽か月か」と考えると比較的分かりやすいですね。
太陰暦を作ったのは誰?(太陰暦の起源)
太陰暦の起源は古代バビロニア帝国にまでさかのぼるとされています。
バビロニア人は夜間に月の明かりを利用することがあり、月の満ち欠けの周期は大きな関心ごとの1つでした。
ちなみに古代バビロニア帝国は3、4000年前に栄えていた国です。
こんな古代に何の道具もない中、月の満ち欠けを計算していたって信じられないですよね。
太陰暦の仕組み
太陰暦は月の満ち欠けを基準にしていると説明しましたね。
太陰暦では月が満ち欠けし、満月が次にまた満月になるまでを1ヶ月としてカウントします。
そして月が満月から次にまた満月になるまでは約29.5日です。
つまり太陰暦において1ヶ月とは29.5日(29日もしくは30日)になります。
以上が太陰暦の仕組みです。
しかし問題があります。
1ヶ月を29.5日とする太陰暦の月の満ち欠けの周期では1年が354日になってしまいます。
太陽暦の解説で説明した通り、実際の季節との調和は1年を365日、4年に1度うるう年として2月に+1日加えるくらいが丁度いいんです。
太陰暦のように1年が354日では11日足りず、実際の季節とどんどんズレが発生してしまいます。
そこで登場するのが「太陰太陽暦」です。
太陰太陽暦とは?
太陰太陽暦とは先ほど説明した「太陰暦」の弱点をカバーするために作られた暦の数え方です。
その名の通り、太陰暦と太陽暦を組み合わせたようなハイブリッド式です。
つまり、地球が太陽の周りを回る時間と月の満ち欠けの時間を組み合わせているんだね!
太陰太陽暦の仕組み
太陰暦では1年が354日になってしまうと説明しました。
通常の1年(約365日)よりも約11日不足しています。
太陰太陽暦ではこの11日を補うために、部分的に太陽暦が使われます。
仕組み
- 太陰太陽暦では1年で約11日不足する。
- 通常1ヶ月は約30日でなければならない。(太陽暦で説明した通り)
つまり、3年近く経つとおおよその1ヶ月分である30日程度が足りなくなります。(不足分の11日×3年)
太陰太陽暦では、このおおよそ1ヶ月分が足りなくなったタイミングでうるう月(閏月)を設けます。
ちなみにうるう月は単純に年末(12月の後)に13月として入るわけではありません。
毎回入る時期が変わり、5月の後に入ったり、11月の後に入ったりします。
また、うるう○月と呼びます。
例
- 3月の後にうるう月が入る→うるう3月
- 11月の後にうるう月が入る→うるう11月
太陰太陽暦ではこのように不足分を調節するので、19年間で大体7回くらいの割合でうるう月が入ります。
太陽暦と太陰暦の違い
こちらはまとめのような感じになります。
太陽暦と太陰暦の特徴は以下でしたね。
太陽暦=地球が太陽の周りを1周する時間が基準。
太陰暦=月の満ち欠けが基準。
これが太陽暦と太陰暦の最大の違いです。
ざっくり言えば太陽を基準にしているか月を基準にしているかと言えます。
また、太陽暦では1年は約365日、太陰暦で1年は約354日です。
その他、太陽暦は微妙なズレを解消するため4年に1度うるう年が設けられ、2月に+1日(2月29日)があります。
対して太陰暦(太陰太陽暦)では2〜3年に一度、19年で大体7回くらいうるう月が設けられ、「うるう3月」や「うるう11月」など丸々1ヶ月が追加されます。
※この章から読んだと言う人は仕組みが分からないはずなので、前の太陰太陽暦の仕組みをご覧ください
そのため、太陰太陽暦ではうるう月がある年は13ヶ月となります。
日本はいつから太陽暦を採用している?
日本ではちょっと前まで太陰暦(太陰太陽暦)が使用されていました。
ではいつから日本においても太陽暦が使われるようになったのか?
日本では旧暦の明治5年(西暦1872年)12月3日より、太陽暦が使われるようになりました。
それから2022年現在までは変わらずに太陽暦(グレゴリオ暦)が継続して使われています。
1872年と言うと、そんなに昔の話ではないですよね。
日本では明治時代に色々な変革が起こりました。
例えば数え年
たまに数え年と言う年齢の数え方を聞くことってありますよね?
この数え年も明治時代に改革が起きた内の1つです。
数え年では2022年現在使われている満年齢とは数え方が違い、皆さんの年齢は最大で2歳変わります。
この数え年、「なんか複雑」と思うかもしれないですが、筆者としてはロマンチックで素晴らしい考え方ではあったと思っています。もちろんややこしいですが…
今では世界で唯一韓国で使われていますが、韓国でも大統領に新しく「尹錫悦(ユン・ソクヨル)」さんが就任するにあたり、数え年が廃止されることになりました。
遂にこの文化が世界から消えてしまいます。
数え年について知りたいと思う方は【数え年】とは?計算の仕方や満年齢との違い|中国や韓国での位置付けをご覧ください。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
まとめです。
太陽暦とは?
地球が太陽の周りを1周する時間が基準。
1年は365.2422日となる。
小数点以下の微妙なズレを解消するため、4年に1度うるう年として、2月に+1日(2月29日)を設ける。
太陰暦とは?
月の満ち欠けが基準。
月が満月から次にまた満月になるまでは29.5日。これを1ヶ月とする。
1年は29.5日×12ヶ月=354日となる。
太陽暦よりも11日少なく実際の季節とズレてしまう。
そのため太陰太陽暦にて解消。
太陰太陽暦とは?
太陰暦の欠点である1年で11日少なくなってしまう不足分を解消するために作られた。
太陰暦(月の満ち欠けの時間)と太陽暦(地球が太陽の回る時間)のハイブリッド。
太陰太陽暦では、太陰暦の11日分の不足分がおおよそ1ヶ月分が足りなくなったタイミングでうるう月を設ける。
そのため、2〜3年に一度、19年で大体7回くらいうるう月が設けられ、「うるう3月」や「うるう11月」など丸々1ヶ月がどこかの月の後に追加され、一年が13ヶ月となる。
日本ではいつから太陽暦が採用されたのか?
日本では旧暦の明治5年(西暦1872年)12月3日より、太陽暦が使用されている。
新暦では明治6年(西暦1873年)1月1日。
以上になります。
いかがでしたでしょうか?
地球を飛び出した太陽や月との関連の数千年前から把握していたなんて凄すぎますよね。
そんな先人たちがいたからこそ今快適に過ごせています。
ありがたみを噛み締めましょう。
それではまた!