中国語学習の基礎にしてラスボス。
もう迷わない。
「了」を正しく使おう。

なんかたまに過去形じゃないのに「了」を使ってるの見るんだけど

「了」って色んな位置にいるけど、どれも同じ意味なの?

調べれば調べるほど分からなくなってきたぁぁぁ。。。

「アスペクト助詞」とか「語気助詞」とか難しい言葉ばっかりもうウンザリ!シンプルに説明して!!
中国語の「了」の使い方って難しいですよね。
中国語を勉強したての頃に学ぶのにラスボスでもある。とも言える謎のキャラクターです。
僕自身もこの「了」にはかなり悩まされてきました。
そして調べれば調べるほど頭がこんがらがり、泥沼にハマっていく。。。
なので、
「余計なことは良いからシンプルに分かりやすく説明して!」
と言う皆さんに向けて今回は「了」の使い方を解説していきます。
それでは早速>>>

- 中国語の「了」の使い方
- 「了」をつける位置による意味の違い
- 「了了」とは!?
「了」の種類は主に6つ

この6つと言うのはあくまで、ここで僕が説明するにあたって分けた数になります。
人によってはもっと細かく分けたり、反対にもっとざっくりしていたりもするはずです。
ここでは「了」は6種類だと認識しておいて下さい。
では、実際にどんな6種類があるのか?
- 完了・達成を表す「了」
- 変化の「了」
- 強調の「了」
- 近い未来を表す「了」
- 制止の「了」
- 命令の「了」
この説明だけだと恐らく「はにゃっ?」って感じですよね。
早速解説に入りますが、頭が混乱しないようにできる限りシンプルに解説していきますね!
日本人である僕らが特に「この了はなんなの!?」って思うのは恐らく6番じゃないかなぁ
完了・達成を表す「了」
こちらが最もポピュラーでお馴染みの「了」ですね。
例文
我吃了饭(私はご飯を食べた。)「食べ終わったと言う完了を表す」
我做了功课(私は宿題をやった。)「やり終わったと言う完了を表す」
少し応用
我做完了功课,就过去(私は宿題を終えたら向かいます。)「終わったらと言う未来の完了も表せます」
このように動詞の後ろにくっついてて、その動作が完了したことを表します。
ちなみにこの場合の「了」を専門用語で「アスペクト助詞」と言います。
中国語を勉強していると聞いたことのある単語ではないでしょうか?
ですが、念の為ここでは説明しましたがこんなものは忘れて下さい。覚えなくて良いです。笑
動詞の後につけて完了を表す「了」とだけ覚えておきましょう。
語学学習の面倒な部分ですが、このアスペクト助詞とかめちゃくちゃ分かりづらい日本語を同時に学ぶから肝心の中国語がより分からなくなります。
考え方はシンプルにしておくことが大切です。
変化の「了」
こちらもよく出てくるお馴染みの「了」。
例文
我昨天20岁了(私は昨日20歳になった。)
我喜欢你了(私はあなたのことが好きになった。)
このように文の最後につく「了」はあるものや事象が、ある状態になったことを表します。
この場合の「了」を専門用語で「語気助詞」と言います。
例によってこれは覚える必要はないです。なんなら覚えないでください。笑
何かがある状態になった(変化した)ことを表す「了」と言うことだけ覚えておいて下さい。

強調の「了」
続いて強調の「了」。
こちらも度々目にするかと思います。
例文
太好了(素晴らしい。)
好看極了(綺麗すぎる。)
累死了(死ぬほど疲れた。)
こちらは驚いた時や感動した時なんかに文の最後につけることによってより感情を表現できます。
このケースの「了」は
- 太~了
- ~極了
- ~死了
などの構文とセットで使います。
ちなみにこれらの構文を「程度補語」と言います。
近い未来を表す「了」
そしてこちらも良く見るんですが、少し特殊な「了」。
「了」の使い方と言うよりかは「要~了」「快要~了」などとセットで近い未来(もうすぐ◯◯だ)を表します。
例文
我要吃饭了(もうすぐご飯を食べることになった。→ご飯食べなきゃ。)
我快要睡了(もうすぐ寝ることになった。→もう寝なきゃ。)
先程、変化の「了」でお伝えした通り文の最後につく「了」はあるものや事象がある状態になったことを表します。
今回の例文も同様で、
「まだ食べてないけど、食べる時間になった。 = ご飯食べる」
「まだ寝てないけど、寝る時間になった。 = 寝る」
などと近い未来を表す意味合いになります。
中国語を勉強し始めた時なんかは「了」は中国語の過去形なんて風に覚えていたりしないでしょうか?
正直、初心者のうちはその覚え方がベストです。実際問題、中国語を過去形にするときは「了」をつければ大体正解です。
初めのうちから文法を細く突き詰めるより最初はサラッと流してどんどん進んで行った方が良いです。
いずれ勉強しなければいけない時が来た時に他の了の用法は覚えていけば問題ないです。
今この記事を見ていると言うことはまさに今がそのタイミングですね!
こんな感じで壁にぶち当たるたびに一つ一つ覚えていけば良いんです。
話が逸れましたが、この近い未来を表す「了」は「了の使い方」と言うよりも
- 要~了
- 快要~了
- 就~了
- 就要~了
これらの構文があり、別の文法と言えます。
この構文の話はまた別の記事でまとめたいと思います。
制止の「了」
内容はそんなに難しくありません。
例文
不要看了(見ないでよ。)
别说了(喋んないで。)
このように相手に制止を求める時なんかに使います。
- 不要~了
- 别~了
不要〜、别〜などの「〜しないで」と言う構文とセットで使うので簡単に実践できるはず。

命令の「了」
今までの「了」とはガラリとイメージが違うのがこの「命令の了」だと思います。
そして日本人である僕たち、のみならず世界中の中国語学習者たちを悩ませていると僕は確固たる強い意思を持っています。笑
早速例を見ていきましょう。
例文
把他放了(彼を解放しろ)
你把他打了(あなたは彼を殴りなさい)
これね、一見ただ単に「過去形の了」にも見えますよね。
例えば、
把他放了=彼を解放した。
みたいな。
実はこの僕が言っている「命令の了」は過去形(完了)の了でもあるんです。
どう言うことかと言うと、本当に2つの意味どちらとも受け取れてしまいます。
なのでどう判断するかと言うと、その場のシーンを考慮しなければなりません。
例えば、
目の前で特に何もしていない人と話している場合→你把他放了吧?(彼を解放したよね?)「完了の了」
一方で以下のような場合
犯人が目の前で人質を取っているケース→你把他放了吧!(彼を解放しろ!)「命令の了」
と言う意味に変わります。
命令の了は他にもこんな風に使えます。
お母さんが子供にご飯を食べなさいと言う場合→你把饭吃了!(ご飯食べなさい!)
こんな風に応用できます。
この「命令の了」を知っていると了に対する知識がグンと深まるのでぜひ覚えておきましょう。
応用+おまけ

継続の「了」
この記事の中で動詞の後ろにつける「完了の了」と文末につける「変化の了」を紹介しました。
実はこれらを組み合わせることで「継続」を表す表現が作れます。
このように動詞の後ろにつける「了」と文末につける「了」を組み合わせることで今も継続して行っている〇〇を表現できます。
がしかし、重要なポイントがあります。
例文:我打棒球打了13年(私は野球を13年やっていた。)「今はやっていない。以前に13年間やっていた。」
たった「了」の有無だけで意味がこんなにも変わります。
このような応用ができると表現の幅が広がるのでぜひ実践で使ってみて下さい。

勘違いされやすい「了」
初心者の時に見ると必ず「えっ?」って思う「了」があります。
例文
做不了了(やりきれない)
买不了了(買いきれない)「数量が多すぎて」
このような構文でなんと「了了」と同じ漢字が2つ並びます。笑
しかし、もちろん記述ミスでも使用方法の間違いでもありません。
動詞 + 否定系 + 了了 で〇〇しきれないと言う構文になります。
最後から2つ目の「了」の読み方はleではなくliǎoなので気をつけるようにしましょう。
まとめ

ここまでご覧いただき本当にありがとうございます。
最後にまとめます。
「了」の種類は主に6つ
- 完了・達成を表す「了」
- 変化の「了」
- 強調の「了」
- 近い未来を表す「了」
- 制止の「了」
- 命令の「了」
頻繁に遭遇するのは1番の「完了・達成を表す了」、2番の「変化の了」です。
しかし中級者辺りから特に覚えておいて欲しいのは6番の「命令の了」。
これが分かると非常に知識が深まるし、自然とネイティブっぽくなります。
この他、
- 継続の「了」
もありましたね。
細かいニュアンスですが、別の意味で伝わってしまうのでしっかりマスターしておきましょう。
最後に、
完全に別の構文だが、初心者が驚きがちな「了了」も存在。
こちらも初遭遇の人は驚きがちなので落ち着いて対処しましょう。
中国語学習で一番始めの方に習う「了」ですが、かなり奥が深く複雑なことも理解して貰えたと思います。
僕はこの「了」こそが中国語のラスボスだと思っています。
扱いが難しいですが、少しずつ飼い慣らしていきましょう。
それではまた!
